朝6時半起床。今日は移動日なので早起き。
荷造りして7時半ごろロビーで朝食。
毎日違ったスコーンや、マフィン、フルーツやチョコの入ったビスケットなどいろいろ出る。
こちらの人は、朝ごはんに甘いものを食べるようだ。
スコーンやマフィンも少し甘いし、それにベリーやチョコが入っているとますます甘い。
ヨーグルトにも砂糖が入っているし、お茶に砂糖を入れると糖分たっぷりだ。
まだ目覚めてない、朝の脳みそに栄養を与えるのにはいいのかも・・・〜♪
チェックアウトした後、ロビーでスタッフと一緒に記念撮影をしてもらう。
いつも思うことだが、外国の人の笑顔は暖かい感じがしてとってもいい〜♪
9時に旅行社の人が迎えに来る。
荷物を積んで、終日アン・ツアーをかねてキャベンディッシュへ移動する。
日本で旅程を組んでいた時、シャーロットタウンにいる間にこのアン・ツアーに参加することは決めていた。
でも、一日をこれに当てて、移動日を別に組んでいたから時間のロスがあった。
アン・ツアーはシャーロットタウンからでもキャベンディッシュからでも参加可能と書いてあり、
夫がそれに気付いて、それを移動に使えば、とアドバイスしてくれた。
旅行社に聞くと、それでもいいとOKをもらえたので、時間を有効に使い、フリータイムが増えた〜♪
キャベンディッシュまで移動しながらあちこちで参加者を拾っていき、最終的に8人のツアーになる。
ヴァン型の乗用車に少人数でゆったりと乗り、家族旅行のような感覚。
途中でお天気が怪しくなり少し雨がぱらつくが、傘をさすほどではなくてよかった。
プリンスエドワード島国立公園は海岸沿いに40kmもあるそうだが、
それでもカナダでは小さいほうだそうだ。海岸へ出て赤土の崖を見る。
PEIの土は、酸化鉄が多く含まれていて赤いのだそうだ。
赤土の崖
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野草
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モンゴメリの墓は墓地の中でもひときわ目立っている。
柵で囲われ、墓碑の前にきれいな花壇がしつらえてある。
モンゴメリのご主人の名前のつづりがルーシー好みに変えてあるのが面白かった。
夫の名前の部分は、Rev.Ewen MacDonaldなのに、
妻の部分にはWife of Ewan MacDonaldと彫ってあった。
* Rev.(=Reverend) は聖職者への尊称。
広い墓地の入り口のアーチには、「モンゴメリの眠るところ」という文字がついている。
ほかの人も沢山埋葬されているのに・・・
モンゴメリの墓
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墓碑銘
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かわいい緑と白の建物はキャベンディッシュ郵便局。
中は郵便業務の部分とルーシーの祖父の時代の物を展示した部分に分かれている。
当時は配達せずに、個人が郵便局まで郵便物を取りに来たそうだ。
もともと祖父がやっていた郵便局で、彼が亡くなった後、祖母が受け継いでルーシーが手伝っていたという。
すぐ横にあるのは、合同教会だが、今日は見学できなかった。
モンゴメリの夫になったEwenは、この教会の牧師だった。
そして隣の郵便局で、祖母の手伝いをしていたルーシーに恋したのだそうだ。
ここでグリーンゲイブルスの記念スタンプを押してもらうために、後日また来ることにする。
郵便局の古い棚
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キャベンディッシュ郵便局
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合同教会
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いよいよ赤毛のアンのグリーン・ゲイブルス。
丘の上に立つ白と緑が映える二階建て。
周囲には恋人の小径やお化けの森などもあり、小説に出てくる道を散策できる。
家の中に入ると、馬の毛のソファ、人の髪で作ったリース、古い家具や道具などが、
まるで人が住んでいるように整えられていて、今にもアンやマリラが出てきそうだ。
小説に出てくる小物もそこここに見える〜♪
マリラの部屋には,、机の上にアメジストのブローチが・・・
アンの部屋にはふくらんだ袖の服とそうでない服があるし、椅子のそばには何気なく割れた石盤も置いてある。
アン・ファンには応えられない演出だ。
質素で何もないマシューの部屋も、いかにもそれらしい〜♪
家の見学を終えて、恋人の小径を散策する。
林の中にせせらぎや橋、野草の群生、潅木などが茂り、昼でもほの暗い。
うっそうと木々の茂る林の中には、ゴゼンタチバナの群落や、勿忘草が咲き乱れていた。
せせらぎもあり、素朴な橋がかかっていたり、木もれ日が光っているところなど夢の世界だ。
黄色い花弁が光るキンポウゲも咲いて、いかにも恋人たちが歩きそうなところだ〜♪
ただところどころに、林のすき間から木々を切り倒した造成地が見えているところがあった。
散策路のすぐそばまで迫っている開発の波を感じ、少々危機感を覚える。
ルーシーが知ったらさぞ嘆くことだろう・・・
橋のかかるせせらぎ
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馬車とグリーンゲイブルス
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昼時になったころ、ノース・ラスティコのレストランへ。
「フィッシャーマンズ・ワーフ・ロブスター・サパーズ」でロブスターのランチを食べる。
イメージどおりの殻つき丸ごと〜♪
ガイドに食べ方を教えてもらっておいしく、きれいに食べつくす〜♪
ロブスターは、10から12年ものの1ポンドぐらいのがおいしいのだそうだ。
一年に二ヶ月しかないロブスター漁のシーズンが今日で終わるという日に食べたわけだ〜♪
ロブスター食前食後
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ロブスターのレストラン
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車窓からはどこを切り取っても絵になる風景の連続で、飽きることがない。
それどころか一瞬一瞬止まって欲しいと思うくらいだ。
なだらかにうねる丘にぽつんと可愛い家があったり、
起伏の合間に樹が行儀よく並んでいたり、湖沼がきらきら光っていたり・・・
このころになると、晴れて来て、青空と白い雲がきれい。
やはりPEIの風景には、青空に白い雲がないと寂しいな・・・。
車窓の風景
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車窓の風景
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そのうちに、次のポイント、モンゴメリの生家へ。
生後1年9ヶ月の間だけルーシーがいた家。
ここには、ルーシーの婚礼衣装や、生まれた部屋、古い家具や道具も展示してある。
一家が使ったフランクリンストーブ、屋外の井戸も興味深い。
ストーブにはアイロンがいくつも載せてあった。
ストーブに載せて暖めて使い、冷めたらまた載せるから、いくつも載せて順に使ったそうだ。
家はこじんまりしているし、部屋がみんな小さい。
これは暖房の関係で、寒い冬の間の暖房の効率をよくするためだそうだ。
ここで、買い物をするとお店のスタンプを押してくれるという。
モンゴメリの本の表紙を集めた絵はがきを購入してスタンプを押してもらった。
また、来年はモンゴメリの「赤毛のアン(Anne of Green Gables」の出版100周年
今年と来年のみの期間限定販売のバッジをゲット。
モンゴメリの生家
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ルーシーの生まれた部屋
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ウェディングドレス
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本の表紙の絵はがき
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生家のオリジナルスタンプ
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次は、PEIの魅力を凝縮した風景をなすフレンチ・リバーへ。
だれでも、絵はがきよりいい写真が撮れそう、というポイントだ。
赤土の赤、空と海の青、雲の白、木々の緑、そして水の織り成すすばらしい風景。
ちょうど、ルピナスが満開という絶妙のタイミング〜♪
みわたす限りのパノラマ、目の前に複雑に入り組んだ入り江が光ながら広がっている。
その向こうには、なだらかな丘陵に木々や家々が点々と・・・
手前の小高い丘から見下ろす風景は、どこまでも続いていく・・・
後ろの丘陵にはルピナスが絨毯のように咲き乱れ、丘の向こうへと消えていく。
紫とピンクの微妙な色合いの花が、風にそよぎ、青空と白い雲に映えて夢のようだ・・・
360度どちらを向いても、みんな絵になる風景だ。
ずっとここにいたいぐらい気持ちがいい〜♪
輝く湖水を横目に見ながら、グリーンゲイブルス博物館(銀の森博物館)へ。
銀の森とは、ポプラの葉の裏が風に吹かれて白く光るからだという。
Silverbushという言葉を銀の森と訳した村岡花子さん、すばらしい感覚だ。
そういえば、小説に出てくるいろいろな言葉は、思春期の少女の夢をかきたててくれたものだ。
恋人の小径、お化けの森、輝く湖水、銀の森、妖精の泉・・・
こんなすてきな言葉が生まれる土壌を今、この目で見ているのだと思うと、感慨深い。
ルーシーはこの従姉妹の家で、結婚式を挙げたという。
当時の部屋の様子を保存していて、今もここで結婚式を挙げられるのだそうだ。
ルーシーと同じところで結婚式を挙げたいと思えばかなう、ということもすごいなぁ・・・
従姉妹の孫というパム・キャンベルさんが住んでいて、出迎えてくれる。
一人ずつ握手しておしゃべりもしてくれて、サービス精神旺盛だ。
はいったところにある立派な薪ストーブの説明を聞いていると、
突然、薪をくべて、と言われて、恐る恐る太い薪を放り込んだ。
今まであちこちで見たどのストーブより大きくて、豪華な装飾がしてあった。
暖房しながら、調理もできて、フラットなゴトク、いくつもある火口、今の電磁調理器も負けそうだ。
銀の森ミュージアム
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パムさんと薪ストーブ
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外は明るい日差しに木々が葉を光らせている。
窓から見える緑は、ほんとにきれいだ。
なだらかにうねる草地に大きな樹がどっしりと根を下ろし、日陰に涼しい風を送る。
向こうのほうには、輝く湖水があり、岸辺に手入れの行き届いた可愛い家がある。
その向こうはまた草原と樹々・・・
ふと見ると、馬車が出て行った。
馬を御するのは、なんだかマシューのような雰囲気の人・・・。
この光景をみていると、ルーシーが生きていた時代にいるような錯覚を起こす。
窓辺に置いてあったのは、捜し求めていた赤毛のアンのナンバープレートだった。
マシューの馬車〜♪
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赤毛のアンのナンバープレート
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ルーシーはこの家が気に入っていてちょくちょく遊びに来たそうだ。
当時の家具や道具類がいろいろ置いてあり、とても落ち着いた感じだ。
どうしてこんなに気持ちが和むのか、と不思議に思うが・・・
よく考えると、みんな人の手のぬくもりが感じられるものばかりだからか。
客間のベッドには、背の高いヘッドボードがついていた。これは高いほど上等なのだそうだ。
1911年の結婚式で使われたオルガンも保存されている。
古い道具は置いてあるだけで、部屋に落ち着いた雰囲気をかもし出してくれるようだ。
背の高い窓からはここちよいそよ風が入り、外の緑が目に優しい。
こんな部屋にゆっくり座ってモンゴメリは小説のイメージを膨らませていったのだろうか。
廊下にはシンガーミシンが置いてあった。どの家にもミシンがある。
みんな手作りの服を着たり、カーテンやてープルクロスなど作ったのだろう。
マリラもアンのドレスを何枚も作ってくれたっけ・・・
またルーシーが自分で作ったクレージーキルトも展示してあった。
まちまちの形の端切れをつないでいくキルトで、継ぎ目のステッチがみんな違う手の込んだものだ。
何年もかかって作ったのに、最後にはどうしてこんなものがきれいだと思ったのかわからないと言ったそうだ。
でも、なかなかアブストラクトで凝っていて素敵だと思うのだが・・・〜♪
本を買うと、パムさんがサインをしてくれた〜♪
上等のベッドのある客間
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結婚式のオルガン
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窓辺
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シンガーミシン
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最後の見所は、ケンジントン駅。
赤毛のアンがマシューを待っていたという、エピソードのイメージを残してある。
駅舎の前には幅の違う二種類の線路が残してあった。
英仏の軌道の違いで幅を調節しなければならなかったそうだ。
PEIには、1875年に鉄道が開通したが、1963年には貨物だけになり、それも1989年には廃止されたという。
そして、鉄道線路の跡地はConfederationTrailというハイキングルートになっているそうだ。
ケンジントン駅正面
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ケンジントン駅
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ここで雨に降られて少し濡れたあと、キャベンディッシュの宿へ送ってもらう。
宿に着いたころには雨がやんで、また日が射しはじめていた。
キャベンディッシュでは、一番有名なKindred Spirits Country Innに投宿。
旅行社の人にチェックインまで面倒を見てもらって助かった。
どこでもそうだが、チェックインの時にフロントで聞く説明は速過ぎてよく聞き取れない(- -;)
相手は毎回同じことを言うので慣れていて、早口になるのだろうが、こちらは一回なのです。
それに、カードのことや、食事の時間とか、大事な説明が多いのです。
もっとゆっくり話すか、メモにしたものがほしいと思う。
キンドリッッド・スピリッツのフロントでは女性が応対してくれてとても感じがよかった。
キンドリッド・スピリッツ
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部屋の前のプールとジャグジー
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シャーロットタウンとはまったく違うカントリー調の宿、広々とした敷地に大きな樹がそびえる。
案内された部屋は、母屋の裏手のブールサイドから入る。
一階にsitting room、二階に2つのベッドルームがあり、びっくり。
しかも、キングサイズとセミダブルぐらいのベッドルームで、青とピンクにインテリアが統一されている。
これだけあれば、子供が3人ぐらいいる家族で来てもゆったりと泊まれそうだ。
おまけに、バスタブはジャグジーになっていた!
2人しかいないのにぜいたくだな・・・
部屋の外には、真っ青なプールとジャグジー風呂もあった。
ベッドにおいてあったガウンは、プール専用らしかった。
青いベッドルーム
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ピンクのベッドルーム
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荷物を整理して、案内ファイルを見ると、PEIの典型的な夕食を食べられるとあった。
フロントで頼むとOKとのこと。6時半までロビーで歓談。
ここも椅子がいろいろ置いてあって、暖炉もあり、とても家庭的雰囲気。
ホテルにしては小ぶりのダイニングルームに2人だけだった。
フルーツの皿とスコーン、クラムチャウダー、水、最後にアイスクリームも出た。
クラムチャウダーはアサリがたっぷり入っていてすごくおいしかった。
満腹、満足〜♪
PEIの典型的夕食
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デザート
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着いたときは雨がぱらぱらしてたが、だんだん晴れてきて気持ちいい。
6エーカーもある敷地には、ものすごく大きな松の木やメープルがあり、
母屋の周囲は緑がいっぱいで、樹の下はきれいな芝が青々としている。
敷地内には点々とコッテージがゆったり並んでいて、自炊して泊まることもできるそうだ。
白い垣根で囲った屋外チェス盤や、子供用の広い砂場、遊具、
ファイアープレイスなどもあり、見てるだけで気持ちが伸びやかになる。
隣はゴルフ場、その隣はグリーンゲイブルスというすごい立地だ。
夜、外を見ると、空には星がいっぱい。明日は晴れそう・・・
屋外チェス盤
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まるで公園
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